Beta Release

最近思うのだが、このベータ・リリースの嵐はなんなのだろう。。昔からベータ・リリースはあるが、ある限られた開発者やヘビーユーザ向けに提供されていた。。もしくは非常に安定度が悪く誰も手を出したくないリリースがほとんどだった。いまでは、だれでもアクセスできるベータ版。Google Labをはじめ、いまではMSNサーチ,RSS対応のMy Yahooなど盛りだくさんである。
 ここ5年ほどのITの普及、またPCと育ってきた世代の台頭により、単純にベータを試すことに抵抗がなくなった表れなのだろうか?製品・サービスを提供する側がそういった人達をテスト対象にしているように一見思えるが、企業は、インターネットのオンデマンド文化に慣れてしまった人達にとって、正式に製品がリリースされる前にそれらの製品を体験せさることの重要性を理解した動きに見える。
 バイラル・マーケティングの力が、ブログの普及によってまた重視されているが、このベータ・リリースの嵐もその影響にあわせているのだろう。競合より一早く製品を提供して、好奇心の高いユーザの需要に答える。このようなユーザは宣教師的な役割を頼まなくても努めてくれるので話題性が高まる。製品・サービスの評判が良ければその波に乗ればいいし、悪ければ、ベータ版なので言い訳ができるし、修正を加えていけばいい。よくできてると思いません?
またこういった現状を見ると製品サイクルが比較的遅いマイクロソフトのような会社はリリースという概念を考えなければいけないだろう。当然リリース頻度の問題もあるが、どのようにヘビーユーザを取り込むかなど。最近Tablet PCを使ってみたが、初期リリースの時に比べてかなり進歩している。もっと話題になってもいいと思うのだが。
 さらに不思議なのがGoogle。先日の発表でGmailGoogle Mapといったベータ・リリースの製品は、場合によっては5年ほどベータのまま運用すると発表した。納得いくまで作り上げるという技術者魂は日本人の心を強くうつが、こんなことができるのはGoogleだけだろう。過大評価されがちな会社だが、この会社、スルっと後ろの扉からとんでもない市場を持っていくような気がする。一見一貫性のないサービスをインクリメンタルにベータリリースしているが、ベータとあなどっている間にきれいに統合されちゃったりして。企業向けに提供しているGoogle Applianceが派生して家庭向けメディアサーバとして普及したり。ありえないシナリオじゃないかな?
 と、このベータ・リリースって、他の業界でマーケッティングとしてうまく使える方法はないかな。。。