"HUMBLE"

taquitos2005-12-11

 久しぶりにスポーツネタ。
 今日は、カレッジ・フットボール最優秀選手賞(ハイズマン・トロフィー)の授賞式。下馬評通り、USCのランニング・バック、Reggie Bushが受賞した。
 去年から、スポーツニュースのハイライトなどで、彼の走りっぷりを見てから、トンでもない奴だとは思ってたんだけど、彼の生い立ちを読んでいたら余計好きになってしまった。よくある話だが、彼の両親は早くから離婚し、お母さんが再婚するまでは、女手一つで幼少期は育てられた。9歳から既にランニング・バックとしての才能は際立っていたのだが、高飛車になる所を、牧師である義理の父が、才能は授かり物であり、謙虚でなければいけないということを実の息子のように教え込んだ。彼は、NFLのスターダムを目前にして、自分のルーツを忘れないために、試合当日は、育った街であるサンディエゴの市外局番"619"という番号を日射避けの黒線の上に書いている。どんなにインタビューアーが彼を褒めちぎっても、苦笑いして、チームメートやコーチを讃え、有名になっても、謙虚でありたいと言っている。
 同じメンタリティを持っているのが、自分の大好きなサンディエゴ・チャージャーズのランニング・バックのL.T.。NFLで最も才能があるランニングバックと言われながらも、非常に謙虚であり、自分の記録よりチームを第一にする選手である。彼は、シーズンが始まる前、Reggie Bushをトレーニングに招き、シゴキにシゴキまくり、プロのレベルを教え込んだらしい。練習内容も相当キツかったらしく、Reggieは何度も吐いたという。若い才能のある選手に、手を差し伸べるL.T.も素晴らしいし、キツいトレーニングに諦めずにやり切ったReggieも根性がある。まさに男の逸話である。
 それとは対極的に、Jerry Riceがいなくなった後のNFLのレシーバー陣は、キャラクターとして問題がある人物が目に余る。ボールがこなければ文句をいい、自己中心的なタッチダウンダンスに酔いしれている。
 個人主義アメリカだからこそ、Role Modelの与える影響が本当に大きいことをスポーツ界を見ると実感するのである。