パフォーミングアートとテクノロジー

ラスベガスでは、OとKAとシルク・ドゥ・ソレイユのショーを2つ見たのだが、本当に見応えがあった。
一番凄いと思ったのが、そこで使われているステージ技術。
当然、単純な見栄えや、装置の様変わり方は、わかり易い凄さがある。しかし、分解して見ていると細かい所に、ものすごい労力が使われていることに気が付かされる。
パフォーマンスの要素として、人、音楽、映像、舞台装置(ワイヤー、ステージ、ライト)が存在するが、これらのショーは、信じられないタイミングで同期がとれているのだ。通常なら音楽が主導で、音に合わせて同期をとるのが筋であろう。しかし、舞台上で起こる情報量は多すぎるし、しかも速い。舞台装置をとっても、人がボタンでそれぞれのアクションに合わせるのは至難の技である。また、映像はズレ始めたら待ってくれない。推測ではあるが、このパフォーマンスには舞台進行における内部クロックが存在し、舞台装置や映像は、すべてそのクロックに合わさてプログラムされ、音楽はそのクロック上で演奏されていることが考えられる。
あくまで架空の例だが、パフォーマがワイヤーに吊るされながら上下する、音楽のリズムに合わせて動きが変わり、パフォーマがいる的確な高さでタイミングよく映像が投射される。これは、支えているワイヤーと映像が、プログラムとして同期がとれているからこそ正確に実現できる。
マトリックスがワイヤーアクションを取り入れた時のメーキングを見る限りでは、香港映画の古き良きやり方で、5人−10人掛かりでワイヤーを上げたり下げたりしていた。このステージを見る限りでは、今それが、すべてプログラム可能になり、自動化されているように見える。こういうショーを見ていると、「おー、本当に人間ワザじゃないねー。」って言っちゃうんだけど、実際本当に人間ワザじゃなかったりしちゃうわけで。人間ワザじゃない、人間の作ったテクノロジーに関心したりしてしまうのです。
無理くり探したシルクと技術に関する記事だけど、アナログ要素となるパフォーマが間違えた場合の対処もちゃんと行っているとのこと。また、霧が起こらないように、コンピュータで水温を制御するなど、すごいっす。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/technology/3465711.stm